2.僕ら凡人は、
"努力は必ず報われる"
この言葉が真ではないことを知ったのはいつだっただろう。
凡人の努力を超える天才がいること。
有り余る才能を以ってして努力ができる天才がいること。
さて、これらの人種に努力だけが武器の凡人は勝てるのだろうか。天才を目の前にその努力が報われる日が来るのだろうか。
人生において報われなかった努力もある。
その点においていえば、真ではない。
けれども努力をしなければ、永遠に報われる日は来ない。努力し続ければいつか報われるかもしれない、先のことは分からない。
だから、ただひたすらに僕ら凡人は走り続ける。
1.語るということ
例えば、今、私が誰かと対話をしていたとして。
例えば、「りんご」という単語を発したとして。
果たして本当に相手は私と同じ物体を思い描いているのだろうか。
もし、相手が別の物を思い描いていたとしたら?その先の対話は、話し手と聞き手にとって違う意味を持つものになる。
「りんご」ならば確かめることは容易いし、確かめればいいのだろうけれど、日常生活の中で逐一、単語単語を手に取ってそんなことはしていられないし。
人に何かを語るとき、どことなく薄氷を踏んでいるような気持ちになるのは、そういうことのような気がする。
0.過去現在未来
ずっとずっと憧れていた真っ白なパズル。
物語と同じ1000ピース。
テレビも、スマホから流れる音楽も、すべて消して、ただただ噛み合うピースを探し続ける。とりとめもない思考が流れる、流れる。
そんな日々雑感。
『サクラダリセット4 さよならがまだ喉につかえていた』河野裕
文庫版収録の短編『ホワイトパズル』。
この短編を読んだとき、消化したと思い込んでいた過去が思いのほか消えていないことに気付いてしまった。あの日私は、チャリのかごにバケツと大量の花火を突っ込み、「今から全部これ燃やしましょう」とでも言って、押しかけるくらいのことはするべきだったのだ。「なにを、どう頑張るんですか」とか、聞き分けのいい、潔く諦めたふりなんてするべきではなかった。
そんなことだから、いつまで経っても私はあの夏から抜け出せない。